わんぷり第30話は「わんだふるなキャッスル!」。新たな敵に対抗すべく、プリキュアが新たな力を獲得する話でした。
毎年プリキュアたちの成長が描かれる非常に重要な回、と認識しているのですが、その期待が見事に裏切られてしまいました。もっと自分たちと深く向き合い、大きな壁を乗り越えて欲しかったです。
プリキュアの成長が無い
まず全体として今回非常に残念だったのはプリキュアたちが何かを乗り越えて成長したというよりは、ニコに心意気を認められて力を授けられたという構図だったことです。プリキュアといえば成長、というのは私の勝手な想いかもしれませんが、(プリキュアに限らず)成長を伴うストーリーというのは感動も大きなものです。
いろはもまゆも悟も、ネガティブになっていたところを動物に励まされて前向きになったという流れでした。悪い流れではないですが、新しい何かを乗り越えて成長したというにはちょっと小さすぎる変化かなと。しかもこむぎやユキは何も変わっていません。
4人分の成長を一回で描くのは難しかったかもしれません。それであってもせめていろは(またはこむぎ)がもっと大きな壁を超えてほしかったなと思いました。(大変古い話ですが、ハートキャッチプリキュアでは4人それぞれがきちんと自分と向き合って乗り越えるという話で、特に主人公をしっかり描くというメリハリもつけていましたね。)
または、世界中の動物と仲良くなりたいというような大きな理想に対して、改めて深く考えて自分なりに解釈を深めるという話があっても良かったかと思います(これも古いですが、プリンセスプリキュアもそうでしたね)。
またはまたは、動物と人間の絆というのが全体のテーマであることを考えると、その観点でのストーリーというのは避けられなかったのかもしれません。その場合も、もう少し大きな壁を用意してほしかったです。ただ鉄板である喧嘩の話は既にやってしまったので使いづらいですが…。
プリキュアが戦う理由が無い
今回は冒頭でもニコとメエメエが話していたとおり、ニコならガオウたちに対抗できるという可能性が示されていました。そうすると確かにプリキュアが戦う必要はありません。そうすると、それでもプリキュアが戦う理由は何なのか?が大事なポイントとなります。そこが非常に弱かったです。メエメエがプリキュアにやらせたい、と言うくらいしか理由がありませんでしたし、それもなぜそう言うのかははっきりしませんでした。プリキュア本人たちが言っているわけではないのでなおさらです。今まで頑張ってきたとか成果を出してきたというのは事実ですが、だから今プリキュアをやめさせてはいけない、という理由にはなりません。
ニコのキャラに愛着が持てない
プリキュアでもたまにありますが、とても偉そうなキャラクターですよね。ここは好みもあるところなのですが。前回もメエメエの言い訳を聞く前から頭ごなしに叱ったり、今回もプリキュアが上手くできないならクビにするしかない、と言ったり。実際の話の展開としてもプリキュアたちの心意気をニコが審査して認めるという形でした。なんだかなあ…と思ってしまいます。
最後には自分も間違うことがあるという発言をしており、間違いを認められる良い上司ではあるのですが、その態度そのものがやっぱり偉そうというか。立場が違うことを前提としているんですよね。なんだかなあ。
それくらいすごい立場であるということがよくわかるような工夫があるとよかったのかもしれません。前回、登場で可愛さとのギャップが小さかったと書きましたがそれも関連しているかもしれません。制作側として意図するニコの凄さと、私が感じるニコの凄さにギャップがある気がします。例えば、ニコが可愛いキャラをしているところをもっと「あえてやっている」感を出すとかでしょうか。あとは前回の初めて登場した回で、本当は真面目ですごいキャラなんだということを印象づけるシーンを作るとか。
余談
今回はいろは、まゆ、悟の変化をテーマとした回でした。あるいは、人間と動物の関係という言い方もできると思いますが。いずれにせよ動物側が何か変化や成長をするわけではありませんでした。完全に余談ではありますが、こむぎが主人公という設定は無理があった気がしますね。
さいごに
前回に続き非常に重要な回であるものの、いまいち消化不良な回でした。どうしちゃったんでしょうか。ひとまず、今後のガオウとの関係についての問題をどう解決していくか、について楽しみにしていこうと思います。
脚本:成田 良美
演出:土田 豊
作画監督:板岡 錦
美術:東 美紀