名探偵プリキュア!第四話は「ドキドキ!初めての依頼!」。ついに探偵事務所を開いて依頼人が来るという回でした。
今回は「初めての依頼」ということで、きっとあんなやみくるが想像していなかったような経験をして、何か大切なことを学ぶのではないかという期待が高まりますね!
アバンはどうだったか?
前述したとおりに期待を持って見てみるアバンですが、今回もびっくりするくらい何も無かったですね。すっからかんです。
というかまず、みくるの最初のセリフ
せっかく探偵事務所を開いたのに依頼人が来ないのー!
めちゃくちゃ冗長なセリフですね。ここでもうガッカリです。「探偵事務所を開いた」のはみんな知ってますから言わなくて良いです。「依頼人が来ないの」もストレート過ぎます。見ればだいたいわかります。「なんで誰も来ないのー!」くらいまで圧縮しても十分過ぎるかなと。
そして、依頼人に来てほしいと考えるみくると、平和で良いと言うジェットとあんな。そして初めての依頼人。この構図から深読みすると「依頼人を求めること」および「依頼を解決することが目的化する」というような状態であると読み取れます。ここから何か学びを得るような回になりそう、という予感がしますね。いいですね。
しかし、アバンではその後このテーマを補強するような展開はなく、単に「依頼人が来た」「バッグの中身が食べ物になってた」というぱっと見のインパクトを示そうとした内容に留まりました。おかしいですね。
こうして一貫したテーマに繋がる伏線は無く、セリフも冗長だし特に面白みもなく、相変わらず中身が何も無いままアバンは終わりました。 何も学びや成長に繋がる展開が無いような回になりそう、という予感がしますね。最悪ですね。
始まる推理パート
今回はAパートから早速推理パートが始まります。はじめての依頼人ということで、推理するところを推したかったんでしょうね。
ただ、正直、内容は前回まで同様に特に面白くはありませんでした。解決に繋がる伏線っぽいものは絵画教室のチラシのみ。チラシを配っている人も似顔絵の人とは別です(めがねを外してただけ、とか髪を束ねてただけ、とかでもいいのに)。
そのチラシも「食材の絵を描く」とか「絵の具でエプロンが汚れる」とか「食パンで線を消す」など謎解きに繋がる要素は全くありません。カレー屋さんで「こんな食材を使う店は無い」と言われたとき、どれだけの子供が「じゃあこれは絵画用だ!」と気づくんでしょうか。

今回のテーマについて
ファントム団のゴウエモンが登場して危険な目に遭うと、依頼人の小松崎は「もういいよ」と切り出します。
みんなを笑顔にしたくて漫画を書いているんだ。なのに僕の漫画のせいで探偵さんが危ない目に遭うなんて嫌だよ!
良いセリフですね。あんなとみくるもハッとさせられます。そして、
私たちも同じだよ。 探偵も困った人を笑顔にしたいの。
そうですね、探偵も同じです。「依頼人が来ないよ〜」とか「やっと来た!」とか言ってちゃだめですね。おや、これはアバンからの表現が伏線となって言い学びに繋がるような回になりそう、という予感がしますね。いいですね。

ここから探偵たちは推理をすすめ、とうとう謎を解いてファントム団との戦いが始まります。ここでも成長に繋がる良いメッセージが飛び出すのかとと期待します。
キュアアンサー「人を楽しませたいっていう純一さんの漫画をこんなことに使うなんて!」
ゴウエモン「知ったことか。ウソノワール様がお喜びになればそれでいい!」
そしてプリキュアたちが形勢逆転で優位になったところで
キュアアンサー&ミスティック「漫画の原稿と純一さんの笑顔を取り戻すんだ!」
からの必殺技で終了。うーん、もう一押し欲しかったですね。

今回のテーマを「(依頼を解決することが目的化するのではなく)人を笑顔にするために頑張るべき」というところに置くとするならば「自分がよければそれでいいわけじゃない」「人の不幸の上に成り立つような喜びではいけない」というような内容のセリフが最後の一押しとしてほしかったです。
今回は「ウソノワールを喜ばせるために純一を不幸にすること」が、「みくるが依頼人を求める姿」と似た構図になっていました(つまり、みくる自身が喜ぶために不幸な依頼人の存在が必要)。そうではなく「本当に人を笑顔にしたい純一」のように「依頼を解決して笑顔にさせる探偵」になるべきということに気づけるはずです。欲を言えば、戦闘中にゴウエモンのセリフから自分の未熟さや自分勝手さに気づいたみくるが、これではダメだったんだと学ぶ、という流れがあるととても自然にこのテーマや成長が強調されてきれいです。ここを戦闘中に数秒とって表現してもよかったのではないかと思いました。
そして戦闘後に事務所に戻った最後のシーン。あんなたちが漫画を楽しみにしているやりとりに、純一さんが笑顔になります。依頼人を笑顔にできたということかもしれませんが、ちょっと微妙ですね。純一さんは漫画を読んで笑顔になってほしいのでは?読みたい!で笑顔になっている様子を見てもちょっとこれまでとの繋がりが悪いです。あんながジュンジュン・コマッツで驚いている横で、あんなとジェットが既に漫画を読んで面白がっているというシーンの方が良かったのではないでしょうか。なんで「読んでみたい」にフォーカスしたのか、謎です。

極めつけは最後のカット、地球儀から覗くポチタンです。何の暗喩でしょうか。本当にわかりませんでした。わざわざこれを描くということは何か意味があるはずなんですが...。もし無意味だとしたらヤバすぎますね。

その他
- 今回の脚本も前回に引き続きシリーズ構成の村山氏でした。ということは 前回の「最初の依頼人」というネタが被った件 は別の脚本家だったからというわけではないんですね。何があってこうなってしまったんでしょうか。
- アルカナシャドウが探偵力を発揮するというのは今後の伏線としてよかったですね。相変わらずセリフで全部説明をぶっ込むというのは残念でしたが。
- 途中で原稿に書かれた「ジュンジュン・コマッツ」がやたら見せつけられてましたが、何なんでしょうか。あんなが好きな漫画として今まで出てきていたならまだしも。というかそんなに見せたならあんなはそこで気づいたはずでは?全く要らない要素でしたね。

- 戦いでは漫画っぽく効果音が文字として出ていましたが、出ていたと言うだけで全く何も活かされていませんでした。文字ならではの表現や展開も無く。文字が出るだけで面白いと思ってこうしたんでしょうか。これだったら最初から無い方がいいですね。
- 次回は友情回。これは期待したい。したいんだけど、今までの感じからすると期待できないかな...。やっぱり大事な回なのでシリーズ構成さんが担当するんでしょうか。いや、大事な回なんだから、もう少し上手く書ける人にお願いしたい...(失礼)。
まとめ
前回から引き続き脚本的な面白みがありませんでした。今回は良いテーマになりそうな感じだったのですが、それゆえに惜しいと感じてしまいます。ちょうど一年前の キミプリ2話 も似たようなテーマでかつ惜しい内容でした。やはり全体がまとまった良い回を作るのは難しいということだと思います。制作の期間やその他の制約もありますしね。そんな難しい中でも良い作品を作れる素晴らしい脚本家さんの登場を願ってやみません。
脚本: 村山 功
演出: 飛田 剛
作画監督: 青山 充
美術: 徐柱星